角田光代先生の第二回中央公論文芸賞受賞作。
映画化もされてるし知名度のある作品なのかな。
とりあえずその辺は置いといて、読んでみた感想をつらつらと。
内容は二部構成になっていて、最初は赤子を誘拐した野々宮希和子と、薫と名付けられたその子供を中心とした話。二部はその赤子の成長した後の姿を描いた物語となっている。
赤子を誘拐って普通に考えれば許されざる犯罪なんだけど、すごいよね、この血のつながっていない親子の絆に途中からこのままの関係を続けてほしいって思っちゃった。
赤子が純真無垢に希和子を母親と認めて、愛を注がれて。
途中、小豆島にたどり着いた二人の関係性から目が離せない。希和子がどうというより、その時を過ごした薫の姿に僕は胸を打たれるの。
一部のラストはすごく心が痛んだ。これが正しいことなのだとしても、薫にとってそれが本当に幸せだったのか。
いや、誘拐されたという事実を考えれば薫が社会で生きていくにはよかったのだろう。だけども心のつながり、愛情といった面ではこれ以上ない悲劇にも思える。
泣けるといった類の物語ではないと思う。ただ切なく、悲しく、それでいて力強さを感じる凄まじい作品だった。
個人的に本作品は今現在、小さなお子さんを育てている方にこそ読んでもらいたいと思う。
僕自身、まだ幼い娘がいるのだが、その子供と過ごす日々をよりよいものにしていこう、大切にしようという気持ちが奮い立ったから。
ネタバレしないようにって思っているので、今回もへたくそに、抽象的に書いた文章だけど、この作品は僕的には非常におすすめ。もし次に何を読もうかなと迷っている方がいるならばぜひこの本を購入してもらえればと思う。
絶対に損はしない。それほど心が震え、深く刺さる作品だから。(・・・多分ね)
価格:946円 |

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