バイクに乗りたいな。
昔からそんなことを思っていたけど、「危ないしな・・・」、「バイク買うお金もないしな・・・」、「乗る時間もどうせないしな・・・」、とか色々考えてずっと免許を取らずに今日まで生きてきた。
でもね、晴天の下、道路を駆け抜けるバイク乗りを見つめては溜息を吐いちゃうの。
やっぱり乗りてぇな。バイクかっこいいなって。でもなぁ・・・
そんな感じで毎年毎年モヤモヤしてたんだけど、こんだけ想うんだからもうバイクの免許取りに行こう!って重い腰を上げて4月から自動車学校へ。
どうせ空いてんだろ?って完全に失礼な感じで通い始めたんだけど、超混んでてまじびっくり。
全然講習の予約とれねぇでやんの。それでもめげずに通い続けること二ヵ月。ついに卒検までたどり着きました。
思い起こせば一本橋に心折られて、走行中にニュートラル入っちゃう病になり、「今のがスラロームだと?」ってな具合にコーン吹っ飛ばす等々、色々ありました。
そんな思い出を胸に卒検当日。
一本橋だけがどうしても不安で朝から超緊張。当初よりはかなりよくなったとはいえそれでも確率的にはまだ十回に一回は落ちる。この当日にその一回が来るかも、緊張でがちがちだと更に落ちるかも。
そんなこと考えているとなかなかに足が震えるもんです。
本日検定を受ける人数は六名。
教官から色々と当日の注意事項を聞いた後に、名前のあいうえお順で検定開始。
私イサカは二番手。一番手はちょっとガサツだけど気のいいおっちゃん。
ほんとこれぞ昭和のおっちゃんって感じ。
検定は構内を一周、慣らし走行してから本番へと進むんだけど、昭和のおっちゃんは始まる前から超強気なの。緊張でドキドキしている僕には信じられないくらい強気。自己肯定感の塊。
「こんなん落ちるやつおらんやろ!?行ってくるわ!」
そう皆に告げて、おっちゃんは慣らし走行へ。
慣らし走行を終えて、スタート地点に戻ってきたおっちゃんが何やら叫んでいる。
「アクセルおかしいぞ!気をつけろ!」
いや、気をつけろって。おかしいなら試験官に言わないと・・・
そう思う中、なぜかおっちゃんは試験官にそのことを告げることなくそのバイクで検定を開始。
その後、スタートしてすぐにクランクへ突入したところで、バイク後部がコーンにひっかかる。
ひっかけたら即検定終了なんです。つまり不合格。
あまりにも早い退場。
そんで、おっちゃんがわーわー言っているのが聞こえるの。アクセルがおかしいって!とかバイク変えてとか。でもね試験官も冷静に「検定始まってから言われてもねぇ。慣らし走行やったんだから、せめてその時に言ってくれないと・・・」って。
そりゃそうだ。
それから昭和のおっちゃん、ゆっくりとみんなのところに戻ってきて、「あんなとこでつまづくとはなぁ。盲点やったわ!」って言ってちょっと悔しそうにしつつも、待合室でほかのみんなと談笑を開始。
まぁそこまで落ち込んでなさそうでよかったかなと思いつつ、その様子を見つめていたら試験官から声がかかる。
「次、イサカさん、慣らし走行してください」
よし。と心の中で呟いてバイクの下へ。その動きに先ほどまであった緊張はない。
検定中止になったおっちゃんには大変申し訳ないが、あなたのおかげで緊張は解けました。
実は自分だけ落ちたらどうしようっていう、超女々しい感情のせいで緊張していた僕は落ちても仲間がいるって思うだけで最高に落ち着いた状態になったのです。(人が不合格になって落ち着くってほんとに最低な感情だよね・・・)
落ち着きを取り戻した僕は、その後なんとか無事に検定を通過。合格することができるのです。
おっちゃんありがとう。
ほんとにありがとう。
「こんなんやったら朝からパチンコ行ってればよかった」、なんて発言もありましたが、あなたがパチンコに行ってなくて本当によかったです。
感謝しています。あなたは知る由もないかもしれませんが、確実に僕はあなたに救われました。
こんなところで書かずに面と向かってお礼を言えればよかったんだけど、まぁ冷静に考えれば、その場でそんなこと言ったらただの煽りなんで、殴られてもおかしくない。
だから、届かないかもしれないとは思いつつあなたに感謝の気持ちをここに綴ります。
ありがとうございました。
合格やっほい。
普通二輪の卒検
駄文
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